スカッシュの神様。011
第十一章「大空のパパとママ」
「こんにちは!おじゃまします。」
「今日子ちゃんいつも大空と仲良くしてくれてありがとう!あの子うちのパパに似て口が悪いから」
「おい聞こえてるぞ!」
リビングからパパの声。
大空パパとママはオリンピック中に大空以上に注目された。
「大空くんのお父さんお母さんてどうやって知り合ったんですか?」
「ああ俺があまりにもカッコが良くてこいつが好きですって何度も来るから仕方なく。イテテ!」
「違うでしょ!私達スポーツ選手を集めたテレビ番組で知り合ったの!テレビ番組が終わってから一緒に食事して、また会ってもらえますかって言うからいいですよって答えたの!でも確かに普段と違ってスポーツしている時はカッコ良かったわよ!」
「確かお父さんがテニス選手でお母さんがバドミントン選手でしたよね!なのに大空くんはなんでスカッシュを」
「パパがイギリス選手のテニスコーチの依頼を受けてみんなでイギリスに行った時、イギリス選手のトレーニングの一つとしてスカッシュをしたのよ!そしたらあの子が1番熱心になっちゃって」
「大空の先生のピーターももとはテニス選手で、ジュニアの世界チャンピオンになったこともあるんだ。でもスカッシュの才能の方が際立っていてね!大空のスカッシュセンスはママゆずりさ!なんてたって現役時代のママは日本バドミントン会の救世主で天才少女って騒がれたしね!かなり昔話だけど。イテテ」
「昔話は余計でしょ!」
新堂海は世界ランキング8位までいった日本テニス会のプリンスでウィンブルドンシングルスの優勝経験をもつ、新堂(旧姓君島)陽子は低迷していた日本バドミントン会に現れた天才選手で世界選手権5連覇という離れ業をやってのけた。
「でも仲がいいんですね!オリンピックで大空くんが勝ったあといつも抱き合ってキスしてたのテレビで見てました。」
「まあ外国生活が長いもので、あっちではあんなもんさ!でもいつもは粗大ゴミ扱いだけどね!イテテ」
「今日子ちゃんが本気にしたらどうするの?」
「ごめん遅くなって」大空があわてた様子で現れた。
「ねえ大空くん私達も大空くんのパパとママみたいになりたいね!」
「えっ!いつも耳を引っ張られるなんてイヤだよ!」
そう言いながらも顔を赤くして照れる大空だった。