スカッシュの神様。024
第二十四章「大空スペシャル」
「おい大空スペシャルに磨きがかかってないか?」
金沢スカッシャーの目が大空に注目していた。今日世界6位のジャン・ギャルビンが大空との練習試合をしているのだが・・・。大空スペシャルとは精度の高いショットに使われる!
まず壁にくっつきながら後ろのニックに入る初速250キロを越えるスピードショット!世界のトップでもとれないためショットの途中で当てるだけになってしまい次のショットでまず決められてしまう。
そしてワンバウンドが床上1センチしか跳ねない上に2バウンド目がやたらと速いショット。これも上手くいっても当てるのが精一杯になり次に決められる。そして前壁に当たって跳ねずに真下に落ちるドロップショット!取れない上に仮に当てても戻れないのでストロークをとられてしまう。
コートの隅に落ちて跳ね返らない高く上げるサーブ!決まれば取れないので途中で打つがやはりコースが甘くなり次で大空に決められてしまう。
大空スペシャルが3つ以上続くと誰もとれない。
まともにやれば全く勝てないので他の選手も無理して決めようとするがミスが余計に増える。
いつもゲームをコントロールするのが大空のため相手はかなり消耗してしまう。大空とのゲームは選手によっては最初から次のゲームに気持ちがいって無理をしないで負ける場合もあるようだ。
大空は不満だが無理していつも死にそうになる俺はその気持ちが良く分かる。
「ねえおじさん!ギャンビルがおじさんとやりたいって」
「えっ!そうなの」
やった〜世界6位と出来ると喜んだもののギャンビルめ俺との練習で休もうとしているな!
それから30分後にはガッツポーズをしたフラフラの俺がいた。何故ガッツポーズかってそりゃ決まってますがな!!!。(おじさんショットが決まったのかな?by大空)