スカッシュの神様外伝。002
片山直樹
「今日対戦した若きヒーロー片山直樹君についてお聞きしたいのですが」
大きく深呼吸して森本が言った「彼は小さい時からスカッシュを始めて、毎日毎日がんばってきました。技術の向上はもちろんですが今日観てくださった方には分かると思います。あのすごい粘りやボールへの集中力、勝ちたいという強い気持ちは賞賛しきれないぐらい素晴らしいものでした。
なんだかスカッシュのすごさをこの年になって身体で教えられました。また素晴らしい経験と感動を与えてくれて彼には感謝します。
彼ならすぐにでも全日本を飛び越えて世界で活躍する選手になると思います。是非みなさん直樹に今まで以上のサポートと拍手をお願いします。」
会場では大きな歓声と拍手がおこった。
片山直樹16才小さい頃お父さんお母さんについていったスポーツクラブでスカッシュと出会った。
小さな身体で大きなラケットを楽しそうに振っていた彼がとてつもなく大きな偉業を達成するかもしれなかった今回の全日本選手権。
今までサポートしていた家族は試合をハラハラ、ドキドキしながら観戦していた。
彼は8才の時「約束」した。
「パパ、ママいつかきっと僕あのコートでマイクで叫ぶよ!パパ、ママ優勝したよ〜て」