新堂翼物語。002
第二章「東京スクエアガーデンにて」
「ねえおじいちゃん!こんなに大きなスカッシュ専用会場が出来たのも口は悪いけどスカッシュの上手いお父さんとおかげだね!」
「まああいつがオリンピック4連覇してかなりスカッシュ人口が増えたから貢献はしてるな!ということは俺とおばあちゃんの遺伝子がこの会場を作ったといっても過言じゃ無い」
「おじいちゃん過言だよ!才能だけじゃ世界チャンピオンになれないよ!練習もわりと真面目にしてた見たいだし」
「そうか!でも2万人収容のコートはスゴイな!シートには超高画質モニターと解説付きイヤホンもついてるし!そこはテニスより進んでるな」
「キャー!」翼を見た若い女性達から黄色い歓声があがる。スカッシュやテニスのチャンピオンということもあるがオリンピック陸上8冠王というのが全国民からスーパースター扱いを受けている。
特に世界新記録をだした100m決勝は東洋の魔女もサッカー日本代表も遥かに吹っ飛ばす94.8%の瞬間最高視聴率を記録した。
人間生まれながらにして短距離型と長距離型の筋肉タイプに分かれるのでどちらかが飛び抜けているとすれば翼の潜在能力はもっと凄い可能性がある。
おそらく短距離型だが昔からのトレーニングで中長距離が伸びたのだろう!
スカッシュにおいて翼は小学生ですでに大空の全盛期並の実力と言われていたが直接大空とスカッシュのゲームをしたことがない。孫の翼がかわいいおじいちゃんとしては今日スカッシュの講習会をしている大空とゲームをさせてギャフンと言わせたいと思っている。
大体なんでテニスに新堂選手権がないのにスカッシュには新堂大空シリーズなるものや大空杯があるのが納得できないのだ。
かなり負けず嫌いなおじいちゃんなのだ!
これもおばあちゃんがお父さんの活躍の度に喜び過ぎるのに嫉妬しているのかもしれない。おじいちゃんのためにもお父さんに勝たなきゃいけないな!
でもお父さんぐらい強いスカッシャーとは勝負したことがないからどうだろうとちょっと不安な翼なのであった。