スカッシュ上達ヒント(初心者、初中級者向け)

スカッシュは何かのヒントで上手くなる可能性があります。好きな人が増えればいいなと思います。

スカッシュの神様。001

あらすじ

後にスカッシュの神様と言われる新堂大空と通称おじさんの森本雄大を中心にしたスカッシュのお話(もちろんフィクション:数年前に金沢スカッシュサイトに掲載したものです)。



突如石川県金沢に現れたスカッシュの天才少年、時間がたつにつれ彼が想像以上にすごいスカッシュプレーヤーであることが解ってくる。そんな大空と・・。



第一章「天才少年現れる!」

 「マッチボール!ついにスカッシュの神様の最後のゲームに幕が閉じる瞬間が近づいてまいりました」アナウンサーの絶叫がこだまする。彼はスカッシュがオリンピック競技になった時の初代チャンピオン、それから後の3つのオリンピックもこともなげに制覇し大会4連覇を果たした。


 今彼の引退試合が終わりを告げようとしている。


 スカッシュの神様が僕の前に現れたのは18年前、毎夜エアコンが必要なとっても暑い夏だった。


 「ねえおじさん僕とスカッシュしてくれない?」いきなりおじさんと言われた事には少し抵抗があったが、新しい相手ができて「うんええよ!ラケット持ってるけどスカッシュ経験はどれくらい?」「大体1年かな!」ふーん1年か何年もやってるジュニア選手なら厳しいけど1年なら何とかなるなと思った。


 しかしそれがどんなに甘い考えなのか10分後には頭より身体が「バカやろう」と自分に言っていた。少し走らされるが決して難しくないボールが返ってくる。


 後ろに前にどんなにいいボールをこちらが打っても1度もミスすることなく打ち返してくるそんな状態が10分たっているのだ。かといって打てるボールをこちらもミスする訳にはいかない。


 意地と根性でがんばっているがそろそろ限界だ「ちょっと待っておじさん限界だちょっと休もう」自分でおじさんと言ってしまった。まあいい休めるなら、「おじさん運動不足じゃないの」相変わらず気の使わないやつだと思うより先にペットボトルの水を苦しみ抜いた身体にプレゼントした。


 「自分ほんまに1年しかしてへんのめちゃくちゃ上手いなあ!どこでやってたん?」「おじさんイングランドって知ってる」「おじさんアホちゃうで!それぐらい知ってるがな」「そこのスカッシュクラブ」「へえイギリスにおったんかいな」「そこのクラブで上手い人に教えてもらって友達になった」「そりゃいい経験したな金沢にはずっとおんの」「うんいるよたまにおじさんともスカッシュできるね!」


 こりゃあ北陸チャンピオンの円山さん相手でも十分やれるな!と思ったのがいかに間違えていたか後日知ることになる。その後僕のスカッシュ仲間がボチボチ現れたが結局みんな僕のように肉体酷使をするはめになった。


 「ねえ森本くん聞いた?この前僕らとやった子、円山くんとやって全然相手にならなかったって」「へえそうなんですか円山さんでも苦戦すると思ったんやけどな〜」


 「違う違う円山くんより全然強かったらしい」「でも円山さんて日本ランキング13位でしょ」「うんそうや!でもそれを見てた杉下くんが言うには円山くんが走らされまくってヘトヘトになってたらしい。杉下くんが円山くんに聞いたら日本チャンピオンよりもずっと強いって言ってたって」


 「ほんまですかね〜ほんまやったらすごいじゃないですか」木下さんにその話しを聞いて早速男の子に電話してみた。この前の時電話番号と名前を聞いていたのだ。


 「もしもし新堂さんのお宅ですかわたくし森本と言いますが大空くんいらっしゃいますか」そう彼の名前は新堂大空!お母さんと思われる人に伝えてしばらくすると


 「もしもしおじさん久しぶりなんかよう?」「じぶん円山さんとスカッシュしたってほんま?」「円山さんて人かどうか分からないけど2〜3日前にわりと上手い人としたよ」


 「それでどうやった?」「おじさんなんかと比べてスピードもスタミナもあった気がする」日本ランカーと俺と比べるなと思いつつ更に


 「ゲームとかしたん?」「うんしたよ」「結果は?」「3ゲームとも15-0で勝てたよ」正直驚いたラブゲーム勝ちというのもさることながらスコアからしアメリカンルールだ。(注意:2009年現在は11点ゲームが主流です)


 こんなことがあるのだろうかスカッシュを初めて1年しかたっていない13才の少年が・・・。日本チャンピオンより強いなんて・・・。